CFMOTOとは
バイク部品工房から、世界のサーキットへ
小さな部品工房から、世界のサーキットへ。CFMOTO(シーエフモト)は、1989年に中国で生まれたモビリティメーカーです。現在の本社は、浙江省杭州市にあります。
手がけるのは、モーターサイクルだけではありません。全地形対応車のATVや、座席が横並びになった四輪オフロード車「サイド・バイ・サイド」も、CFMOTOを支える製品です。
生産拠点は中国からタイ、メキシコへと広がり、製品は世界各国へ。ロードレース世界選手権にも挑み、2024年にはMoto3クラスで三冠を達成しました。
世界へと活動の場を広げたCFMOTO。その原点は、中国・温州の小さなバイク部品工房にさかのぼります。
1989年、父子が始めた部品工房
1989年、浙江省温州市で父と息子が始めたモーターサイクル部品の工房。それが、CFMOTOの出発点でした。
今でこそ幅広い車種がそろうCFMOTOですが、最初の仕事はバイクを構成する部品づくりでした。

創業期の部品工房。CFMOTOのものづくりは、ここから始まりました。
部品からエンジンへ、そして一台のバイクへ。1997年に自社初の水冷エンジンを開発し、翌1998年には初の二輪完成車を発表しました。自らつくる領域を、一歩ずつ広げてきたのです。

1997年に開発した初の水冷エンジンと1998年に発表した初の二輪完成車。
2005年には初の全地形対応車を発表し、四輪オフロード車の分野へ進出。さらに2007年、米国に初の海外子会社「CFMOTO Powersports」を設立しました。
小さな部品工房は、こうして自ら車両を開発・製造し、海外市場にも製品を届けるメーカーへと成長しました。
二輪と四輪、それぞれに広がる製品
二輪と四輪、両方の世界に製品を送り出す。その幅広さも、CFMOTOを知るうえで欠かせない特徴です。
モーターサイクルのラインアップは、小排気量モデルからスポーツ、ネイキッド、クルーザー、アドベンチャーまで。走り方や用途に応じた、多彩な車種がそろいます。
コンパクトで個性的なPAPIOから、V型4気筒エンジンを搭載する高性能モデルの開発まで。2025年のEICMAでは、スーパースポーツのプロトタイプ「V4 SR-RR」を公開し、二輪の可能性をさらに広げています。

PAPIO(XO PAPIO RACER)とV4 SR-RR(2025年発表のプロトタイプ)
一方、ATVやサイド・バイ・サイドが活躍するのは、不整地での移動やアウトドア、作業の現場です。公道用のバイクとは異なる環境や用途に応える四輪オフロード車も、製品の大きな柱となっています。
ATV・UTVの分野では、世界市場での高いシェアも強みです。CFMOTOは2018年から欧州で最も売れているATV・UTVブランドとなり、2024年の公式発表では、四輪オフロード車(ORV)でオーストラリアを含む30か国以上の市場シェア首位を達成。二輪に加え、四輪でも世界各地に支持を広げてきました。
街乗りやツーリングから、アウトドアや日々の作業まで。走る場所と目的の幅広さが、CFMOTOの製品づくりを物語ります。
杭州に広がる開発・生産の現場
その開発・生産を支える主要拠点が、本社のある中国・浙江省杭州市です。
公式の工場紹介に映るのは、二輪車や四輪オフロード車の製造工程、自動化設備を活用した生産、そして研究開発や品質確認の現場です。
一台の車両が形になるまでには、部品の組み立てをはじめ、数々の製造・確認工程を経ます。生産ラインの写真が伝えるのは、完成車の姿だけでは見えない、その過程です。
デザインやスペックに加え、その一台をどこで、どうつくるのか。開発・生産の現場も、
妥協のない姿勢を見せています。

杭州での工場見学の様子。左は車両展示、右はモーターサイクルの生産ライン。
中国から、タイ・メキシコへ
ものづくりの拠点も、中国から世界へ。CFMOTOはタイやメキシコにも製造拠点を設け、海外での生産体制を拡大してきました。
2023年7月に開設されたメキシコ工場も、そのひとつ。北東部のヌエボ・レオン州アポダカに位置する、北米市場への供給を支える拠点です。
開設時の公式発表によると、敷地面積は約75,000平方メートル、投資額は約4,600万米ドルです。溶接・塗装・組立の各工程を備え、年間10万台の生産能力を持つ工場として紹介されました。
生産は四輪オフロード車のUTVから始まりました。海外へ製品を届けるだけでなく、市場に近い場所でつくる。メキシコ工場は、その体制を担う拠点でもあります。

メキシコ・ヌエボ・レオン州アポダカにあるCFMOTOの工場。
世界選手権への挑戦と、2024〜2026年の実績
CFMOTOの挑戦の舞台は、世界のサーキットにも広がります。
2022年、ロードレース世界選手権のMoto3クラスに参戦。2024年からはスペインのAspar Teamと協力し、Moto2とMoto3の両クラスで競ってきました。
2024年|Moto3世界選手権で三冠達成
その挑戦が大きく実を結んだのが、2024年のMoto3世界選手権でした。

2024年Moto3世界選手権での三冠達成。
CFMOTO Aspar Teamのダビド・アロンソ選手は、日本グランプリで年間チャンピオンの座を確定させました。その後、タイグランプリでの勝利により、CFMOTOのコンストラクターズタイトルとチームタイトルの獲得も決まりました。
この年、CFMOTOは次の3つのタイトルを獲得し、三冠を達成しました。
- ライダーズタイトル:選手個人の年間成績
- チームタイトル:チームとしての年間成績
- コンストラクターズタイトル:メーカーとしての年間成績
CFMOTOは、中国メーカーとして初めてロードレース世界選手権のコンストラクターズタイトルを獲得しました。

2024年Moto3世界選手権で活躍したダビド・アロンソ選手とチーム。
2025年|両クラスで新人賞を獲得
2025年は、Moto3のマキシモ・キレス選手が3勝・9回の表彰台を記録し、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。Moto2でもダニエル・オルガド選手が2勝・5回の表彰台で同賞に輝きました。CFMOTO Aspar Teamは、Moto2・Moto3の両クラスでチームランキング3位となりました。

2025年最終戦バレンシアGPのMoto2で2位に入り、シーズン5回目の表彰台に立ったダニエル・オルガド選手。
2026年|Moto2・Moto3で優勝を重ねる
2026年も、CFMOTO Aspar Teamは両クラスで勝利を重ねています。ブラジルGPでは、Moto3でキレス選手とマルコ・モレリ選手がワンツーフィニッシュ。Moto2でもオルガド選手が優勝し、同じ大会で両クラスを制しました。
さらにオランダGPでは、Moto3でキレス選手がシーズン6勝目を挙げ、Moto2ではダビド・アロンソ選手が同年初優勝。2024年の三冠から、翌年の若手の躍進、そして2026年の勝利へと、世界選手権での実績を積み重ねています。

2026年ブラジルGPのMoto3でワンツーフィニッシュを達成したキレス選手(#28)とモレリ選手(#97)。
タイトル獲得の先へ
三冠は、ゴールではなく次の挑戦への通過点。CFMOTOは、2024年のタイトル獲得後も世界選手権への取り組みを続けています。
CFMOTOとAspar Teamは2026年1月、提携を2031年まで延長すると発表しました。Moto2・Moto3への参戦に加え、若手ライダーの育成にも引き続き取り組む方針です。
部品づくりからエンジン開発、完成車の製造へ。そして海外進出、生産拠点の拡大、世界選手権への参戦へ。CFMOTOの歴史には、活動の領域を広げ続けてきた歩みがあります。
中国の小さな工房から、世界の道とサーキットへ。製造・販売・モータースポーツを通じたCFMOTOの挑戦は、これからも続きます。
